夫、病院にいく

朝起きてきた夫が、眉間に皺を寄せて「ものが二重に見える」と言い始めた。足の違和感も治っておらず、滅多なことでは仕事を休まない夫が、「今日は病院に行った方がいい気がする」「脳のMRI撮ってもらったほうがいいかも」と言うので、まだ寝ている子供たちを叩き起こし、急遽近くに住む義母に預けて、近くの心臓血管外科に朝一番に電話をし、朝一番に受診させてもらうことになった。

この時、夫は自分でスタスタと歩けていて、複視もさほどひどくはなかったので、もし何かあったとしても軽症だろうし、多分大丈夫だろうと思っていた。夫も「付き添いはいらん。ひとりで診察うけて、あとはタクシーで帰るから」と言うので、私は夫を車で送り届けてすぐに子供たちの元へ帰った。

結局、1時間半ほど経ってから「脳は異常なくってきれいやった。眼科に行ってくれって言われたから、このまま歩いて眼科に寄る」と10分ほど歩いて眼科に向かった。夫の言葉に安心し、「脳に異常なくてよかった!やっぱり疲れかな。精神的にもストレスがあったんかも」と、特に気にせず夫の帰宅を待っていた。すると、またもや連絡があり、「外転神経麻痺を起こしてるんじゃないかって。神経炎かもしれへん。神経内科の領域やから、このまま○○病院にタクシーで行ってくる。ステロイドパルス療法になるなら、入院かも」ということだった。

ちょうどその日、午後から子供たちを映画に連れていく約束をしていて、脳に異常はなかったことに安心して、出かけようとしていたところだったので、「神経炎?ステロイドパルス?この年末年始に入院?どういうこと?」と「???」の連続だった。それでも、夫本人の口調がはっきりしていて、まあたいしたことないよ、という口ぶりだったので、そこまで深刻に考えずに済んでいた。むしろ、「年末年始のこのギリギリ病院が空いてるタイミングでよかった!」と思っていた。こういうとき、私は結構楽観的なたちで、「ま、年末の旅行はキャンセルでもいっかぁ」くらいのものだった。

結局、夫は入院にはならず、家に帰宅することになった。複視や足の違和感が軽度で、普通に日常生活が送れているので、急いで治療する必要もなく、様子見でいいんじゃないかということだった。

帰ってきた夫は部屋でずっと寝ていたり、ソファでボーッと座ったりしていた。子供がぎゃーぎゃーと騒ぐのを、しんどそうに眺めていた。長女が絵本を持って夫のそばに行くと、「見えにくいなあ」と言いながら、ぽつぽつ読んでくれていた。複視の影響で気持ちが悪いらしく、食欲がない夫は夕飯のおうどんを半分異常残した。

「疲れてるんやで。今日もひとりでゆっくり休みなよ。明日には治ってるわ」

そう言うと、「そうするわ」と言って、夜の21時に夫は寝た。

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